血を飲む!?マサイ族と牛の関係性とは?<アフリカの面白食文化Vol.1>


Hello Everyone! SSA スタッフのMegumiです!

今回は私がケニアやほかのアフリカ諸国に住んでいた時に面白いと感じたアフリカの食文化を何回かの投稿に分けて紹介していきたいと思います!トップバッターはごく最近まで住んでいたケニアのマサイ族の食文化です。

食文化を理解するためにも、まずマサイ族の暮らし方や価値観を知る必要があるとおもうので、まずはマサイ族の特徴についてお話したいと思います。マサイ族は現代では都会に定住する人も多いのですが、元々は北アアフリカにいた遊牧民族だったといわれています。そのためか、マサイの中では村を守ってくれる戦士(男性)やその権力を重要視しており、男性は自分の力を様々な方法で示そうとします。最近日本でも話題になったジャンピングダンスや獅子狩りもその手段の一つです。

画像引用元:https://umikarahajimaru.at.webry.info/200601/article_8.html

そのほかにも棍棒のような武器なども権力の指標として挙げられますが、遊牧民のマサイにとって、個人の財力や権力を表すもっとも有効なものとなるのが、家畜です。共に旅をし、物資の移動荷役だったり、時には食料となる家畜はマサイの生活にはなくてはならない存在です。マサイの家畜として最も代表的なものは『牛』です。牛はマサイ族が都会に住み着くようなった現在でも、結婚式の結い納品としても用いられるなど大事に扱われています。そのためケニアの街中ではしばしばこんな光景も見受けられます…

画像引用元:https://4travel.jp/travelogue/11312802

前置きが長くなってしまいました。そろそろ本題に入りましょう(^_^;)

マサイ族にとって必要不可欠な存在である牛は時に食料になるという話をしましたが、マサイ族は手間隙掛けて育ててきた大切な牛を一度に殺して食用にするということはまずしません。代わりにうしを殺さず貴重な栄養だけを摂取できるようにうまく牛と付き合って生きています。牛乳は勿論のこと、時には牛の血も摂取します。

え!?血!?!?と思った人も少なくないと思います(笑) わたしも最初はぎょっとしてしまいました。日本人としては少しびっくりしてしまう食文化ですよね。

マサイ族は、特別な行事などの時に牛の首元を切り致死量に達さない程度の血を採り、牛乳と混ぜ、飲みます。儀式以外では、妊婦に飲ませるなどするそうです。血には鉄分など体に必要な栄養素が沢山詰まっています。戦士などを景気づけするとき、妊婦が栄養をたっぷりとって元気な赤ちゃんを産むためにも、この血を飲む習慣は重要な意味を持つのです。

一見グロテスクではありますが、遊牧を続ける中で栄養バランスを保とうと、牛を大切にしようと思った時に生み出された知恵なのですね。

今回のシリーズでは、こういったアフリカの面白い食文化をその歴史的な側面などを通して紹介していけたら良いなと思っています。次回もお楽しみに!

see you soon!

アイキャッチ画像引用元:http://footage.framepool.com/it/shot/658440087-masai-accudire-pastore-mandria-di-bovini